「とりあえず文理選択したけど志望校はまだ決まってないな・・・」
「志望校や学部を早めに決めないとやばいらしいけど何したらいいんだ・・・」
「学部選びが大事って聞いたけど興味のある学部ないな」
今、そんなことを考えていませんか?
この記事では、現在慶應義塾大学3年の私が志望大学や学部をどのようにして決めたらいいか解説します。
さらに、一般的にダメとされている選び方が必ずしもそうとは限らないということや実際に大学に通ってみてわかった意外に見落としがちなポイントについても説明しています。
特に受験を意識したばかりの高校1,2年生にはぜひ見てほしい内容となっています。
この記事を読み終わるころにはどうやって志望校や学部を決めたらいいかわかるようになり、受験へのモチベーションが上がるはずです。
志望大学・学部は早く決めよう!
志望大学・学部を決めるということは目標を決めるということです。
目標も無くなんとなく勉強している人と○○大学の✕✕学部に行きたい!と信念を持ち戦略を立てて勉強している人では成績に差がつくのは一目瞭然です。
東進タイムズによると難関大学(旧帝大、東工大、一橋大、東京医科歯科大、東京外国語大、早慶大)に現役合格した人の71.4%は高2の3月までに志望校を決定しています。
一方で、さまざまな大学の学生を対象にしたアンケート(ベネッセが実施)によると高2の3月までに志望校を決定した割合は約3分の1にとどまります。
母数が異なるとはいえ、レベルの高い大学に合格する人たちは早くから志望校を決定していることが言えます(図1)。
つまりこの記事を読んでいる高1,2生のあなたは早くから志望校を決めることで、高3の夏以降に志望校を決めようなどとのんびりしている受験生と差をつけるチャンスを手にできるのです。
早慶や国立大学を視野に入れるのであればなおさらです。すぐに志望校を決めましょう。
図1 志望校の決定時期
(東進タイムズ及びベネッセ教育情報サイトをもとに筆者作成)
具体的にどうやって選ぶか?
志望校を早くに決める重要性はわかったことだと思います。
では具体的にはどのようにして選べば良いのでしょうか?
興味のある学問分野
王道の選び方です。難関大合格者のうち71.3%が学べる内容やカリキュラムを志望理由に掲げています。
図2 難関大合格者の志望理由
(出所 http://www.toshin.com/news/topic/1603_16.php)
大学は高校までとは違って自分で履修科目を決めることができるため興味のある分野を履修することで学びを深めていくことができます。
(実際には必修科目等があるため完全に自由に決められるわけではないのですが・・・。それでも高校よりは自由度が高いです)
また、基本的には4年間特定の学部に所属するため、全く興味のない分野だと入ってから苦労することになります。
ただし、興味のある学部をイメージで決めないことを推奨します。もちろん実際に大学に入ってみないとわからないことは非常に多いのですが、パンフレットを見るなどしておおまかに興味のある方向なのかどうかは確認してください。
また、今年に関して言うとコロナウイルス問題でオンライン授業を多くの大学で実施しており課題がたくさん出ているので学業の比重が大きくなっています。
来年度以降どうなるかは現時点では不明ですがもしオンライン授業が続行となればやはり課題が多く出ることが予想されるため、全く興味のない学部に進んでしまうと負担は大きくなるといえます。
もし興味のある学問分野が既に見つかっているならとても素晴らしいです。
とはいえ、この記事を見ている人の多くはまだ見つかってはいないでしょうから大学のサイトを見てみたり、説明会やオープンキャンパスに行ってみるといいでしょう。
とはいえここまで読んで「興味のある学部とかないんですけど・・・」と思ったかもしれません。
興味のある学部が見つからなければ、全く興味のない学部を選択肢から排除していくのもアリです。
なぜなら、一生懸命取り組めばどんな学問分野でも面白さを見出すことは意外とできるものだからです。
それでも、全く興味のない分野はおすすめしません。一生懸命取り組むのに負担がかかってしまうからです。
そうは言っても、「興味のない学部を消していったら何も残りませんでした・・・」という人もいるでしょう。
学生の本分は学業なので、それは確かに残念ですが安心してください。大学は勉強だけをしなければいけないわけではありません。次項以降を参考にしてみましょう。
部活やサークル
部活やサークルへの憧れから決めるのも悪くないです。その憧れが受験へのモチベーションを上げてくれるのであれば全然アリです。
例えば、高校まで部活をガチでやってきて大学でもガチでやりたいという人ならその部活が強い大学を選ぶのも立派な選び方の一つです。
特に体育会は在学中に部活に打ち込めるだけでなく、就活でも体育会枠というものがあったりするので就職に強い傾向があります。
また、サークルといえば楽しい大学生活を象徴するものでもあり、人によっては大学生活で大きなウェイトを占めています。
TwitterなどのSNSで大学のサークルのアカウントを探してみたり、学園祭に行ってみるのもいいです。
(今年は学園祭をオンラインで実施する大学が多いので例年と比べると効果は微妙ではあると思いますが)
大学卒業後の進路
受験を本格的にやっていると大学合格に集中するのでなかなか意識しにくいですが、高1,2年生であれば大学は通過点だと意識できる余裕がまだあると思います。
巷では「大学は就職予備校」などと揶揄されていますが、現に多くの学生は就職するので、先輩たちがどんな会社に入っているのか見るのも悪くはないです。
実際、難関大合格者のうち就職に強いかどうかを要素として志望校を決定している割合は23.7%ほどいます。
また、興味のある学問分野が決まっている人も注目すべきポイントだと思います。
例えば法曹や公認会計士になりたい人は各試験の合格者数や合格率が高い大学を志望する方が良いです。
なぜなら、これらの難関試験を突破する上で同志がいる可能性が高く、切磋琢磨できたり試験についての情報共有がされやすいからです。
大学受験も同じですよね。
周りが受験に対して意識が低い環境で勉強するのと同志がいる環境で勉強するのでは後者の方がモチベーションを保ちやすいはずです。
大学のネームバリューや偏差値
これで選ぶな!と多くのサイトで言われていますね。個人的には半分正解で半分不正解です。
まず、ここまででも散々触れていますがオープンキャンパスなどに行くことは確かに大事です。
ですが、「令和元年度学校基本調査」によると大学の数は都内だけでも140校もあり、いちいちオープンキャンパスやら説明会やらに行くのは時間的制約から現実的ではありません。
また、いくら学問内容に興味があっても、その学部が設置されているならどこの大学でもいいというわけではない方が多いと思います。
なので、例えば「このランク以上の大学に行きたい」というように一定のラインを引いてから志望校を決めるのはアリです。
もちろんその基準は何でも構いません。「兄や姉や友達に負けたくない」でもいいですし「ネームバリューのある大学に行って周りから良い反応を得たい」でもいいです。
さらに、難関大合格者のうち47.1%が知名度を志望理由の1つとして挙げています。
受験に対して意識が高く、しかも結果を出している人たちでさえ(だからこそかもしれませんが)約半数がネームバリューを重視しています。
多くのサイトで偏差値やネームバリューで決めるのはダメ!という主張がされていますが、データを見る限り受験生にとっては余計なお世話なのかもしれません。
ただし、偏差値やネームバリューだけで選ぶのは疑問符が付きます。
というのも大学に合格することがゴールになってしまうからです。
受験を頑張る上では有効ですが受験が終わったあとで燃え尽きてしまうリスクがあるのでそこは注意です。
また、「〇〇大学以下は無価値だ」のような極端な思想に陥ってしまうリスクもあります。
その思想が呪縛となって○○大学を一生懸命目指している人を馬鹿にしてしまったり、自分の望む成果がでないために何年も浪人することになったりすると、自分に負荷がかかるだけではなく他人にも迷惑をかけてしまうのでその点には気をつけましょう。
逆に、「本当は行きたい大学があるけど今の成績じゃ無理だから諦めよう・・・」と思っている人は諦める必要は全くありません。現に私は高1、2の時は早慶はD,E判定でしたが慶應に現役合格できています。
とりあえず成績とか気にせずに志望校を決めちゃってください。目標を自分に近づけるのではなく自分が目標に近づいてください。
志望校を周囲に諦めさせられそうになった場合についてはこちらで書いています。かなり役に立つ内容なのでぜひ見てください!
入試科目
入試科目は何か、配点はどの程度か注目することは志望校を決める段階でも役に立ちますし、志望校を決めた後どのような戦略で勉強していくかという意味でも役に立ちます。
例えば、「数学がどうしても苦手で数式を見るだけでも無理です!」という人は入試で数学を使わない大学や学部を選ぶ方が良いです。
数式を見るのも嫌とまではいかなくても、「数学が苦手でいつも他の科目の足を引っ張る・・・」という人は数学の配点が低い大学や学部を選ぶことも立派な戦略です。
ただし、大学に入ってから捨てた科目(この例だと数学)を使うことになるのかどうかは注意してください。
例えば、私が在学している慶應商学部は入試形態によっては数学を使わずに入ることが可能ですが、微積分が必修科目となっています。
立地条件
これは大学に入ってから意外と大事だと感じました。あくまでも大学自体の特徴ではないためこれだけで決めるのはどうかと思いますが意外と侮れません。
大学の最寄り駅までアクセスしやすいどうか、駅から大学まで近いかどうかは大事です。
実際に通えるかどうか、通いたいと思えるかどうか実際に足を運んでみて確かめてみるといいでしょう。
「入学してみたはいいけどアクセスが最悪だった」
なんて後悔をしないようにしましょう。
学部や学年によってキャンパスが異なる場合もあるので自分の志望する大学や学部がどこにあるのかきちんと調べましょう。
「ここのキャンパスに通うなんて知らなかった!」
なんてことの無いように。
また、大学の周りに娯楽が充実しているのとそうでないのでは全然違います。
「娯楽の話かよ」と思ったかもしれませんが、研究室に籠もって修行僧のような生活を送るのではない限り多少は娯楽に触れたいですよね?
例えば、大学生は高校生に比べてバイトや仕送りをもらっている分、資金力があるので美味しい食事処を開拓しやすいです。
せっかく高校生の時よりお金があるのに大学の周りに何もなくて昼食は学食のみだと寂しいですよね。
特に、地方暮らしで都会に憧れていたり親元から離れたかったりする人は大事なポイントかもしれませんね。
ただし、オンライン授業が続行されるのであれば立地についての重要度は下がるといえます。
先輩に聞いてみる
意外とやってる人は少ないですが、入学後のギャップを少なくする上では有効です。
確かにオープンキャンパスや大学の資料で大学をある程度知ることができますが、そこで得られる情報はあくまでも学外向けの情報です。
座談会などがあればそこで大学生活について聞いてみるのも良いですし、仲の良い先輩がいればその先輩に聞くのがいいですね。
実際に通う学生の情報なのでオープンキャンパスなどに比べて実態を把握しやすいです。
ただし、その情報はあくまでも個人が言っているものであるということに注意してください。
例えば、ほとんど授業に行かないで遊んでいる先輩であれば学問内容についての有益な情報はあまり得られないでしょうし、サークルや部活に入っていない先輩であればサークルや部活についての詳しい情報は得られないでしょう。
可能であれば複数人に聞いてみるといいと思います。
学費
大学や学部によって学費はまちまちです。国立大学は費用が安く私立大学はそれに比べると高いです。
特に医学部や歯学部は私立大学の場合際立って高額であり、経済的負担を考えると国立大学を目指す方が家計には優しいです。
ただ、奨学金制度を実施している大学も多いのでお金を理由に志望校を諦めそうな時は調べてみてください。
ただし、その場合は返済が必要かどうかまで調べてください。卒業できたは良いものの、奨学金返済のために経済的に苦しい思いをしている人がいるのも事実です。
図3 入学から卒業までにかかる学費総額(https://blog.benesse.ne.jp/zemihogo/kou/j190530.html より引用)
結局何を基準にすればいいか
ここまで志望校の選び方をいくつか挙げてきました。
基準は他にもたくさんあります。「結局どれを基準にすればよいか」と思った方もいるでしょう。
それに対する答えとしては、正直何でも構いません。
実際に受験をして大学に通うのは他でもないあなた自身です。自分が納得のいく基準を設定し、それを満たす大学や学部を志望しましょう。
ただし、基準は複数持っておいた方がいいです。
例えば、学問内容だけを基準にした場合、入学時にはやる気があっても途中で興味が失せてしまうリスクがあります。
サークルや部活に憧れがあっても、入ってみたら人間関係が最悪だったというリスクも考えられます。
どこかの基準が期待はずれでも、別の基準で満足できればトータルの満足度を補うことができます。
受験を突破してから後悔しないためにも複数の基準を持っておくことをおすすめします。
アウトプットしてみよう!
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
下記のフォームから調べたこと・思ったことを自由に書いてみましょう!
ワークは以下の2つです。
Step1
あなたなりの志望校選びの基準を書きましょう。
Step2
志望校、学部について調べたことを自由に書きましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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